トラックメーカーによるライブアクトを軸としたパーティー『MOT』が、3度目のCopufunk Recordsでの開催を決定した。

今回のライブアクトには、MOTのPineartの他に、過去にMOTでのブッキングも行われた熟練のトラックメーカー、Ken'ichi Itoi氏が運営する京都の実験音響レーベル、shrine.jp からのリリースを始め、国内のみならず海外からも楽曲制作やライブパフォーマンスの依頼が掛かる気鋭の電子音楽家、Hiramatsu Toshiyukiが出演。
また、Seihoやmetoteと共に作るパーティー『INNIT』を数年ぶりに、今度は大阪を飛び出して東京で開催するAVVや、独自の世界観を研ぎ澄ましながら、楽曲制作だけでなく、『TYPE』や『Don't Dance』といった、パーティーという形態での表現も続けるHideo Nakasakoがオープニングアクトを務めるなど、トラックメイクもライブパフォーマンスも共に信頼のアクトが、オープンからラストまでバランスよく配置された内容となっている。

もちろんDJの組み合わせにも注目してほしい。Minimal Dub、TechnoなどでDJキャリアをスタートさせ、後にJuke/Footworkに傾倒し、その活動で日本に於けるJukeシーンに早期から貢献してきたDJ Kaollと、BassやGrime、Technoを軸としたプレイは同世代の中でも評価が高く、パーティー『cm3』のオーガナイズも手掛けるsatinkoをブッキング。ライブを挟んで2名のフィメールDJの対比を楽しめる組み合わせとなっている。序盤とラストを、MOTのその時間を知り尽くしたレジデントのMatsuitakashiとdueがそれぞれに受け持つ。

フードには、タコライスのCOMEDORと、前回、前々回で個々別々に出店していたウラなんばの直樹と久保がタッグを組んでうどんで登場。コーヒーと日本茶のNAKAOも出店。味覚も楽しめて、お酒のアテや空腹の心配もなさそうだ。

「一般的」という基準で語るならば『MOT』は音楽的なこだわりがマイノリティーな方向で強くはあるが、チームが作ろうとしているのは音楽イベントではなくパーティーであり、その中で「自分たちの好む音がどう響くのか」をチーム自体が楽しんでいる。だから、音楽を目的にしなくても、できなくても、まずは彼ら自身が遊んでいる『MOT』というパーティーに意識を向けて遊びに行ってみてほしい。新しい音楽の楽しみ方は、彼らと同じ時間を過ごす中で、もしかしたら知ることができるかもしれない副産物、くらいで考えておいてもらっていいだろう。

その感触で遊んでもらえるのは、クラブではなく、BarとしてのCompufunk Recordsならではのロケーションだからこそ。
これで一旦一区切りとなるCompufunk Recordsでの『MOT』。
それぞれに趣向を凝らした素晴らしいパーティーは数あるが、可能ならば同様に注目しておいていただきたい、おすすめのパーティーだ。

<Text by NOFACE>